公園で風が吹いても遊べるバドミントン!?クロスミントンが外で遊べるか徹底検証!

こんにちは。一押し商品セレクター「バイヤー小林」です。
長年、大手スポーツ量販店のバイヤーとして培った経験を生かして、親子での公園・キャンプ遊びに最適なグッズを紹介していきます。

今回のおすすめグッズは「バドミントン」
老若男女問わず大人気ですが、唯一の欠点が風に弱いこと。
少し風が吹いているだけで簡単にシャトル(羽根)が流されて、うまくラリーが続かないという経験が皆さんにもあるのではないでしょうか?

今回紹介するのは、欠点を克服した「風に強いバドミントンセット」です。
実際に、購入して普通のバドミントンどこが違うのか?を検証してみました。

※今回、「競技バドミントン」ではなく「公園バドミントン」の視線で書いております。

大人気のバドミントンの魅力と欠点

勤めていたスポーツ量販店でも、バドミントンはいつも大人気商品です。
なぜ、これほど人気なのか?
バドミントンの魅力は次の4つです。

納得の人気4ポイント
  1. 誰でもできる
  2. どこでもできる
  3. 少人数でできる
  4. 安全にできる

魅力を細かく伝えなくても、誰もが一度は経験した事のある遊びですので、納得かと思います。

唯一の欠点

バドミントンの欠点はもともと屋内スポーツなので、風に弱いことです。

バドミントンの「シャトル(羽根)」は体積が大きい割に重さはとても軽いです。
つまり、非力でも簡単に打ち返せる魅力がある一方で、風の影響を受けやすく、少しの風でも簡単に流されてしまいます。
なので、体育館などのインドアならともかく、ソトビバで紹介したい公園やキャンプ場、河川敷などは「いつも楽しめる」環境ではありません。

「風に弱い」欠点を克服したバドミントン

公園バドミントンの欠点として、「風に弱い」ということを上げました。
確かに「顔に風を感じる」位の軽風でもシャトルコントロールがかなり怪しくなり、「木の葉や小枝が揺れる」位の軟風ではラリーを続けることが難しくなってしまいます。
海辺の公園などでは遊べない時間の方が圧倒的に多いですね。

ところが近年「風に強いバドミントン」というニュースポーツが登場、話題になっています。

その名も「クロスミントン」。(スポーツの競技名)
2001年にドイツで「風に強く屋外で遊べる場バドミントン」を目標に考案されました。以前は「スピードミントン/スピードバドミントン」と呼ばれてましたが、2016年に現在の「クロスミントン」になりました。

本来はバドミントンと同様に専用のコートで競技として発明されたようですが、公園バドミントンの代わりとして楽しむことも十分にできそうです。

専用ラケット専用のシャトルを使用します。
ラケットはバドミントンとは大きく異なり、一見スカッシュ・軟式テニス用のラケットに似ています
シャトルはバドミントンに似ていますが、重くて大きさ・デザインも異なります。

それでは、普通のバドミントンとどれくらい違うのか?

調べてみると、日本には、2つのドイツブランドが入ってきており、どちらもAmazonや楽天でも販売されているようです。
実際に購入した2つの商品をご紹介します。

スピードミントン(ファンセット)

先ずは「楽天・Amazonで一番売れていた」商品であり、ドイツ・スピードミントン社の「ファンセット」です。

セット内容

価格:5,780円(購入時)
ジュニア用ラケット:2本
シャトルボール(HELIスピーダー):2個
スピーダーライト(発光スティック):2個

価格はヨネックスのバドミントンセットより千円ちょっと高めです。
取扱説明書は入っていません。
パッケージには色々記載されていますが、重要事項は見当たりません。
無視して良いでしょう。

中身はこんな感じです。

シャトルボールは専用ケース入り、発光スティックはパッケージにセロテープ留めされていました。

ラケット

全長:485mm、重さ:137g、材質はアルミ合金です。

ラケットのストリング(ガット)面の硬さ(面圧)は後述するのヨネックスバドミントンラケットとほぼ同じくらい。ガットの太さは2周りほど太めです。
ラケットが短く、打球面も体に近いので、初めてラケットを持つお子さんでも、シャトルボールに当てやすそうです。
全体としては小学校低学年のお子さまでも簡単に振れるスペックです。

グリップ周長も95mmでバドミントンよりは太め。
ただし質感が「サラサラ」なので、「すっぽ抜け」には注意が必要ですね。オーバーラッピングテープを巻いても良いでしょう。

シャトル

付属のシャトル(HELIスピーダー)
全長:81mm 重量:9g

非常にユニークな形状をしています。専用ケースに収められています。

真上からと裏側。
中央の穴に付属の発光スティックを差し込みます。
暗くなってからも遊べますが、スティックは使い捨てなのが難点。

遊んだ感想

それでは実際にプレイしてみましょう。
知り合いのスポーツショップスタッフにテストプレイをしてもらいました。

撮影環境
風速:約1.7m/s
ラリー距離:約4.5m(芝生上パネル間隔:3m)

飛ぶ距離はバドミントンのシャトルの半分程度、スピードも出ないのでラリーしやすいですね。

ラケットが小さく近距離でのラリーになるため、小学校低学年くらいのお子さまでも安全に楽しめそうです。
反面、もう少し大きな子供達には物足らないかも?

スピードバドミントン (セット4400

もう一つがドイツブランド・タルボットトロ社の「スピードバドミントン4400」
こちらもAmazonでよく売れているようです。

セット内容

価格:5,940円(購入時)
専用ラケット:2本
シャトル:3個(スターター:2個+レーサー1個)
持ち運び用専用ケース

価格は前述のスピードミントンと同価格帯ですね。

専用ケースがついているのがうれしいです。
持ち運びしやすいし、さらにケースにはシャトルをシャトルケースのまま収納するスペースもあるので、これならシャトルが変形しにくいし、ばらばらにもなりません
ポイント高し。

ケースから出すとこんな感じ

ラケット

全長:545mm、重さ:172g、材質はアルミ合金です。

スピードミントンと比べると一回り大きく・重くなります。
面圧(ストリング面の硬さ)は前スピードミントンラケットとほぼ同じですが、ガットは1周りほど細いタイプです。

グリップはスピードンミントンより10mm長いだけですが、全長は60mmも長くなります。
打球面のサイズも大きく、これは打ちやすそうです。

スロート内側にはスペックの記載があります。
これはガット張替えの際に非常に便利ですね!(スペックが判らないと店舗でガット張替えを断られる場合もあります。)

スピードミントンを発売している「タルボットトロ」社はヨーロッパのレジャーバドミントン市場ではトップブランドとして認知されているとのこと。
やはり押さえるべきところは押さえていますね。

10歳以上なら十分スイングできますし、大人でも楽しめるスペックです。
グリップ周長が100mmあり、表面もしっとりしているので、とても握りやすくなっています。

シャトル

シャトルは2種類付属しています。
黄色いシャトルが初心者向きの「スターター」
全長:60mm 重量:6g

赤っぽいシャトルが「レーサー」、大きさは「スターター」と同じですがもう少し重いです。
全長:60mm 重量:8g

左:バドミントンシャトル 中:レーサー 右:スターター

一番左に置いたバドミントンのシャトルより小さなサイズです。

遊んだ感想

2つのシャトルとも、小さくて重いので、結構飛びそうです。
まずはスターターのラリーから。

 

撮影環境
風速:1.4~2.0m/s
ラリー距離:約9m(芝生上パネル間隔:3m)

思ったより飛びます!
スピードも速いですね。
前述のスピードミントンは近くで打ち合いあいましたが、スピードバドミントンは普通のバドミントンと同じくらいの距離を空けられますね。

次は「レーサー」
スターターより重い。ということはさらに速く&遠くまで飛ぶのかな?

撮影環境
風速:1.1~1.8m/s
ラリー距離:約10~12m(芝生上パネル間隔:3m)

予想通りでした。かなりのスピード感です。これなら子どもだけでなく大人でも十分楽しめますね

補足 2021.9.24
カラーバリエーションがオリーブ・ウィート・カレー・ターコイズの4種類になっているみたいですね。

比較したバドミントンセット ヨネックス

最後に、実際に普通のバドミントンとどれほど違うのかを検証するために、品質的に安心できるバドミントンとして圧倒的シェアを誇る「ヨネックス」の商品とで、比較していきます。

セット内容

価格:3,990円(購入時)
専用ラケット:2本
シャトル:(ナイロン製)2個
持ち運び用専用ケース

ラケット

ラケットは「折れ」の心配がないアルミ製ヘッド+スチールシャフト。
但しガット張り上げで102gと少々重め(競技用のラケットは80g~)。
「公園遊び」用として耐久性重視でセレクト。価格もお手頃です。

シャトル

付属のシャトルはナイロン製です。
全長:89mm 重量:4g
耐久性が高く、多少打ち損ねても壊れにくい利点があります。(当然ですが玩具と異なり羽根先は「真円」です。)

注意
バドミントンラケットはバドミントン用シャトルコックでお遊びください。スピードバドミントン・スピードミントンのシャトルなど想定より重いシャトルを打つと衝撃に耐えられず、破損する恐れがあります。 
ヨネックス バドミントン 2本組みラケット

3種類の比較

風による違い

紹介してきた3アイテムを風のある日に使ってみました。

結果を一覧にまとめるとこんなイメージです。

「スピードミントン(ファンセット)」は多少の風なら遊べますし、「スピードバドミントン(セット4400)」はそれ以上でした。

 

バドミントン スピードミントン スピードバドミントン
風力0
風力1
風力2 × (◎)
風力3 × × (◎)
風力4 × × ×(〇)

◎:快適 〇:可能 △:難しい ×:無理
※(スピードバドミントンの結果はスターターシャトルを使った結果。( )内レーサーの結果)

上表の風力はあくまで目安です。風力は地上と上空で異なりますし、一定していません。また「遊びやすさ」は筆者の体感イメージで、人により異なります。

参考:ビューフォート風力階級表

風力 相当風速 陸上の様子
0 0~0.2m/s 煙はまっすぐ昇る。
1 0.3~1.5m/s 煙は風向きが分かる程度にたなびく。
2 1.6~3.3m/s 顔に風を感じる。木の葉が揺れる。
3 3.4~5.4m/s 木の葉や小枝が揺れる。
4 5.5~7.9m/s 砂埃が立ったり、小さなゴミや落ち葉が宙に舞ったりする。

※気象庁の「気象情報」に使われている指標です

ラケットの比較

次に用具を比較してみましょう。
長さの差はこんな感じです。

打球面が体から離れるほど当てにくくなります。
長さによる当てやすさは
スピードミントン=スピードバドミントン>バドミントン
です。

フェイス面積と形状はこんな感じです。

面積だけでは決まりませんが、大きいほうが当てやすいです。また身体から遠いほうが当てにくいので、ラケットの先が広がっている(グリップから見て逆三角形)方が当て損じが減ります。

したがって当てやすい順に
スピードバドミントン>スピードミントン>バドミントン
です。

まとめ

あらためて特徴をまとめてみると、

バドミントン レジャーセット
  • 風に弱く基本的に室内向け
  • 風が無ければ微妙なコントロールがしやすく、球筋も打ち分けやすい。
  • ラケットが小さくシャフトが長いのでラリーが出来るようになるまでは時間がかかる。
ヨネックス バドミントン 2本組みラケット
スピードミントン ファンセット
  • ある程度の風までなら十分に遊べる。
  • シャトルのスピードが遅く、届く距離も短いため、小さなお子さんでも遊べる。(小学生低学年~)
  • ある程度馴れるとそれ以上は上達しない(大人は飽きやすい)。
スピードバドミントン セット4400
  • 強めの風にも強い。
  • シャトルが早く遠くまで飛ぶのでラリーできるまでにある程度馴れが必要
  • シャトルが2種類付属しており、上達に応じて使い分けられる。
  • 小学校中学年から大人まで楽しめる。

スピードミントン・スピードバドミントン従来のバドミントに比べて風の影響を受けにくく、十分「外で遊べる」用具であることがわかりました。
公園や河川敷、またはキャンプに持って行っても良いですね!
晴れていれば親子で楽しめますので、遊んでみてください!

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ABOUTこの記事をかいた人

某大手スポーツ量販店の元バイヤー、現在はフリーライター。 1986年にスポーツ量販店入社。一般スポーツ・ゴルフ・スノーボードの各専門店店長を経て、バイヤー(商品仕入れ担当)に。 バイヤーとして国内をはじめ世界中の展示会を奔走し、多くの商品を吟味。仕入れた商品は数千点に。 2018年春には160ブランド・5万点の品揃えでオープンした日本最大級アウトドア専門店プロジェクトにも参画した。 25年間培ってきた「バイヤーズアイ(バイヤーの目)」で多角的に商品を分析するだけでなく、必ず一度は自分で使ってみて、その実感を持って、みなさんに「本当に良い品」を紹介していきたい、と日々奮闘中。