プロ講師が徹底検証!子ども用インラインスケートのおすすめはズバリこれだ!

こんにちは、日本ローラースポーツ連盟公認指導者の“ひで爺”こと大原秀明です。
以前、インラインスケートの初心者さんへ向けたインラインスケートの選び方を記事にしました。

しかし、これだけでは具体的に購入する時にどのメーカーのどの製品を選べばいいのか分らないと講習会などで指摘されました。

そこで、今回、本当に優れた子ども用インラインスケートはどれなのか』をはっきりお伝えできるように、有名メーカーの子ども用定番製品とAmazonで最も人気が高いトイスケートを購入し、実際に自分で履き比べ、さらにそれらを分解して構造まで調べるなど徹底検証してみました!!

その結果、どのスケートを選べば、子どもが快適に早く上手に滑れるようになるのかを、みなさんに自信をもってお伝えすることができるようになりました。

この記事をお読みいただければ、もう迷うことなく、お子様に最適なスケートを選ぶことができると思います。

検証に選んだ製品

まず、私の足のサイズは24.5cmなので、サイズ調整機能付きのLサイズのインラインスケートブーツなら自分で履いて滑ることができました。

ちなみに体重58キロ身長160cmです。中学1年生男子の体重の全国平均が50キロくらいなので、24.5cmのスケートであれば、私くらいの体重は軽く支えられないと駄目だと思います。

今回はトイスケート有名メーカー3社子ども用定番製品の合計4点を検証しました。

①メーカー:ノーブランド(トイスケート)

Amazonのインラインスケート売れ筋ランキングで1位を獲得し、評価が高い5000円くらいのものを選びました。

②メーカー:ROLLERBLADE(ローラーブレード)
 商品名:SPITFIRE(スピットファイヤー)

②メーカー:K2(ケーツー)
 商品名:MARLEE PRO PACK(マーリー プロパック)

③メーカー:FILA SKATES(フィラスケート)
 商品名:X-ONE(エックスワン)

以下の9つのチェックポイントを5段階の星マークで評価しました。星5つで満点評価)
9つのチェックポイント
  1. 足入れ感(インナー)
  2. 留め具
  3. 支える力(シェル)
  4. フレーム
  5. ウィール
  6. ベアリング
  7. サイズ調整機能
  8. ヒールブレーキ
  9. 価格

簡単に用語の説明をしておきます。

1.足入れ感(インナー)
   足を包むクッション部分

2.留め具
   バックル、ベルト、シューレース(靴ひも)3点

3.支える力(シェル)
   プラスチックのブーツの外側の骨格部分

4.フレーム
   ウィール(タイヤ)が取り付けてある部分

5.ウィール
   タイヤ部分

6.ベアリング
   ウィール(タイヤ)をスムーズに回転させる部品

7.サイズ調整機能
   成長期の子どもの変化に対応できるようにサイズを変える事が出来る機能

8.ヒールブレーキ
   片足のかかとについている止まるときに使う部分

各ポイントのもっと具体的な説明を知りたい方はこちらの記事を読んでみてください。

インラインスケートを選ぶ際にチェックすべき7つのポイント

2017.12.13

それではそれぞれの検証結果にいってみましょう!

検証① Amazon1位のトイスケート 

Amazonから届いたものを見てみると、見た感じはスポーツブランドのものと遜色なし。

【付属品】

  • ショートシャフト
    (※ヒールブレーキを外した後に使用する部品)
  • 六角レンチ
  • 小さなパイロン6個
  • 飾りの羽

①足入れ感 ☆☆☆☆

ブーツの最上部、つまり手が触れる、足入れ部分のみクッションが分厚い感じで、その他は薄く、フィッティングはよい感じはしません。
その為、足を入れると前の方が全体的に痛い。そうなると、当然緩めに履くことになり、操作性やホールド感は低くなります

インソールはかなり薄いうえにクシャクシャ。

ノギスで測ったところ、厚さは2.5mm。

形状はサイズ調整機能を無視した一枚もの。

しかもサイズが最大時の25.5cmに合わせてあるためか、サイズを小さくした時にはインソールの長さが余り、先端で折れ曲がってしまう。
切ると大きくした時に困るし、どうするつもりなのでしょうか?

何より、この薄さだと履いているうちに中でクシャクシャになって意味なくなるでしょう。
実際にそういう子供を何回も見ました。

②留め具 

バックル、ベルト、シューレースの標準的な装備。

バックルのロック機能付きはポイントが高い。
転倒時や足をひっかけた時などにバックル外れを防止できます。

③支える力 ☆☆☆☆

シェルの側面がカカト周辺までしかなくて足を支えきれません。

またインナー部分も柔らかいので支える力はありません。

特に画像で指を指している部分が問題

まっすぐ立つことはできますが素材が柔らかすぎて辛い。いくら体重の軽い子供でも、とにかく柔らかすぎて足を支えきれないので本人の努力が必要

④フレーム ☆☆☆☆

アルミフレームの幅は1.9mm。

しかも形状がただのアルミ板をぶち抜いたプレーンな板なので、それならせめて厚さ3mmは欲しい

もし、1.9mmの厚さなら、プレスしてフレームを立体形状にしないと剛性は得られません
これならプラ樹脂の方が強度はあるでしょう。

そして、シャフト(ウィールを止める部品)が緩い。
シャフト径は5.8mmなのにフレーム穴は6.2mm

フレームが薄いのでさらにグラグラします。もちろんネジを締めれば固定はできますが…。
また、フレームがブーツ底の中心に無いのも減点。

⑤ウィール 

70mm82Aの透明なもの。

つま先のウィールは光るウィール。

ウィールを光らせるために、昔の自転車のライトのように回転時に負荷がかかります。
見た目は面白いかもしれませんが初心者にはオススメできません。

中のベアリングスペーサはプラスチック製。
ベアリングスペーサはナイロンよりもアルミの方が滑走性能が上がる。

⑥ベアリング 

ABEC7で、普通によく回ります。
しかし光るウィールで意味が半減するのがもったいない。

⑦サイズ調整機能 

サイズ調整機能はカカト外側のスイッチを押して、スライドさせる形式。4段階の調整可能。
インソールがサイズ調整機能を考えていない。

⑧ヒールブレーキ 

ヒールブレーキを外した後に使う短いシャフトが付属しているのは優秀。
ゴム部分が硬くブレーキ性能は低い。

⑨価格 

約5,000円前後。有名メーカーの半額程度と格安です。
※執筆時

トイスケート総評 ☆☆☆☆

とにかく力が逃げる。真っすぐ立つのが大変で履いた時の感想は『不安定で怖い』

トイスケートの中では良い方ですが、やはりインラインスケートの形をしたオモチャです。

安く、売れる要素を盛り込んだ玩具で、スポーツギアでは無いです。
もっと真っすぐに立てるブーツにしてくれると良いのですが。

検証② ローラーブレードのスピットファイアー

外箱の一部を切り取ればパイロンになるおまけがついていました面白いアイデアです。

【付属品】

  • ショートシャフト
  • 六角レンチ
  • 説明冊子
  • サイズ用紙

①足入れ感 

インナーはつま先部分までしっかりクッションがあり、足入れ感は抜群

ただ、インソールは取り外しできない固定式。インソールは一枚モノですが、小さいサイズに合わせて作られている為に、大きいサイズにすると足指部分は無くなってしまい不快感があり残念。

②留め具 

バックル、ベルト、シューレースの標準的な装備。バックルロック機能がないのが残念。

③支える力

特に欠点もなく、とてもしっかりしている。つま先部分にエアインテーク(※空気を取り入れる入り口)があり蒸れ防止に期待できる。

④フレーム 

プラスチック製だが厚さもあり適度な肉抜きもあり良い。

フレームのセッティングはアウトエッジ(※足の内側寄りでウイールが若干外側に傾くこと)寄り。
インラインスケートでは初心者にはインエッジ(※若干内側に傾くこと)はよくないので、そうならないための配慮か?

⑤ウィール 

72mm80Aの濃い黒。
※ウィールカラーは透明系よりも色がしっかりついていた方が耐久性が上と言われている。

ベアリングスペーサはアルミ製。
※ベアリングスペーサはナイロンよりもアルミの方が滑走性能が上がる。

⑥ベアリング 

ベアリングSG3はABEC3相当。標準的な性能。

⑦サイズ調整機能 

つま先外側に付いている金属製のレバーを押してサイズ調整をおこなう。4段階の調整可能。

数字が見やすいが対応表がないとサイズが判り難い。

対応表は付属品のサイズ用紙に実物大で書いてあり、足を載せると、どのサイズにすればいいのかわかるようになっている。

⑧ヒールブレーキ 

ヒールブレーキを外した時に使用するショートシャフトが付属する。ブレーキは有名メーカー製品では標準的。

⑨価格 

この品質でこの値段なら価値あり。
Amazonでプロテクター付きで1.3万円前後です。
※執筆時

ローラーブレード 総評 

クッションスポンジが全体に入っている為に履いた瞬間から良い感じ。

狭いと感じる子供もいるだろうがフィットしている証拠ともいえる。

それだけにインソールが短いのがもったいない

検証③ K2のマーリープロパック

【付属品】

  • 六角レンチ
  • 説明冊子

①足入れ感 

クッション性が硬くゴワゴワしてあまりフィット感は良くなかった

ブーツの特性として前傾する作りになっている。
後傾しやすく転びやすい初心者に良さそうだが、ふくらはぎが圧迫される感じもある。

ローラーブレードやFILAと比べるとクッション性が悪いのは否めない。

一方で、インソールは形状が立体的で凝っているのが良い。後ろ半分は外せるがマジックテープなどで固定していないのは残念。

前半分は靴に固定されており、サイズ調整時に爪先部分のインソールが無くなる現象を回避してある。
ただし、履いた際には土踏まずに段差があり違和感があった。足を動かすと当たる時もある。

足型の横幅がかなり広い。

②留め具 

バックル、ベルト、シューレースの標準的な装備。

シューレースは結ばなくて良い作り。

シューレースを引っ張りやすい構造だが紐が硬いので締まりにくいのが残念。

シューレースが戻る力でロックがかかり、余った紐は取手にクルクル丸めてタン裏に納めることができる作りはナイスアイデア。

ただし、バックルロック機能は無し。

③支える力

足側面にシェルとインナーに大きく隙間があいてしまう部分がある。さらにその部分のシェルの切り欠きが大きすぎるので安定感に欠ける。

④フレーム 

プラスチック製だが厚さもあり適度な肉抜きもあり良い。フレーム取り付け位置はアウトエッジでもインエッジでもなく標準的。

⑤ウィール 

72mm80Aの透明系。
ベアリングスペーサはナイロン。

⑥ベアリング 

ABEC3で標準的な性能。

⑦サイズ調整機能 

つま先内側の横にあるボタンを押してサイズ調整をおこなう。5段階

この位置は転倒した際に壊れ易いようで、ここが壊れたものをたまに見かけます。
もうちょっと良いボタン希望。

⑧ヒールブレーキ 

付属品にショートシャフトが無いので、別途購入して用意しないとヒールブレーキは外せないのが残念。ブレーキは有名メーカーでは標準的。

⑨価格 

この内容では標準的。
Amazonでプロテクター付きで1.3万円前後です。
※執筆時

K2 総評 

インナーはクッション性が低く、硬いのでフィット感は良くない。

しかし、硬いということはインナー自身にも支える力がある。

足型がとても広い作りなので他のメーカーで足横が当たって痛い人には向いている。

ただし、基本は足横も当たって支えるべきであり、当たらないように広いブーツを選ぶと足が横に移動してしまい操作性が著しく低くなるので注意。

検証④ FILA SKATEのエックスワン

【付属品】

  • ショートシャフト
  • 六角レンチ
  • 説明冊子

①足入れ感 

しっかりしたクッションがあり良い感じ。分厚過ぎず薄すぎずといった感じでちょうどよいフィット感。
特に爪先内部は硬いがきちんとフィットする。靴紐は結ぶタイプだが締めやすい。

インソールは後ろ半分だけ取り外せる。

前半分は靴に固定してあり、サイズ調整時に爪先部分のインソールが無くなる現象を回避してある。

厚さが厚すぎないので土踏まずの違和感や当たりはほぼ無い。マジックテープで固定できるのもポイント高い。

②留め具 

バックル、ベルト、シューレースの標準的な装備。

バックルロック機能付きはポイントが高い。転倒時や足をひっかけた時などにバックル外れを防止できます。

③支える力 

サイズ調整時に動く部分が他のメーカーと違い爪先部分のみ(※他のブランドは中央部分から動く)なのでシェルとインナーの隙間が少なく、足横にもプラスチック素材があるので支える力も高い。

足首の前後の可動域が広いのもいい。靴の中の蒸れを改善するエアインテークも装備されている。

④フレーム 

プラスチック製だが厚さもあり適度な肉抜きもあり良い。フレーム左右位置は標準的。

⑤ウィール 

76mm82Aの濃いピンク
ベアリングスペーサはナイロン製

⑥ベアリング 

ABEC3で標準的な性能。

⑦サイズ調整機能 

サイズ調整はカカト部分のツマミを回して調整するタイプ。

FILAが国際特許を持つというマイクロアジャスト機能で実際に数えてみると、43段階だったので0.5mm単位の調整が可能となる。

これは他メーカーが5mm刻みの4-5段階であることを考えると驚くほど秀逸

また、このつまみを回す方式はスケートブーツを履いたまま調整出来るので、フィッティングに不慣れな子どもたちにも操作しやすいので、講習会などでも非常に助かる。

(通常は脱いでからでないとサイズ調整がし難い)

マイクロアジャスト機能

また、左右で足のサイズは違うのでよりよい感じにセッティング可能だし、朝と夕方でも足サイズが微妙に変わることなども考えるととても優れたものだと思われる

爪先部分が稼働するので足中央部分(土踏まずの横らへん)のサイド部分が狭くなり難いのも良い。

⑧ヒールブレーキ 

ヒールブレーキを外した時に使用するショートシャフトが付属する。ブレーキの材質は4大メーカーでは標準的。
ただし、ヒールブレーキのゴムを止めているシャフトもショートシャフトなので、これを使えば付属品を持っていなくても工具があればヒールブレーキを外すことが可能

ヒールブレーキを外したい時に重宝する。「ヒールブレーキ外した方がいいですよ」「じゃ外そう」という時が結構あります。

他社だと構造が違うので「ショートシャフトが無いから外せないね」ということになります。

⑨価格 

この品質でこの価格はお買い得。
Amazonで1万円ちょっと。プロテクター付きは1.3万円前後。
※執筆時

フィラスケート 総評 

サイズ調整機能がとにかく素晴らしい。

支える力が強く安定感が高い。
プラ素材で支えるのでインナーがへたってしまっても大丈夫。

ヒールブレーキのシャフトがショートシャフトになっているのは地味だが良いアイデア。

他は悪い減点ポイントがなく優等生的な感じ。

まとめ

 総評
① トイスケート
② ローラーブレード
③ K2
④ フィラスケート

トイスケートはいくら安くていいように見えても、スポーツとしてインラインスケートを始めるならお勧めできません。
Amazonで評価がある程度あるので、遊び程度なら大丈夫なのかもしれませんが、本格的なスケートと履き比べていないから、そういう評価になるような気がします。

実際に講習会でレンタルしているブランドスケートを履いてからは、トイスケートには戻れないという子供たちを何人も見てきました。

機能のしっかりしたいいもので滑ると、それだけ早くうまくなり、それだけ早く楽しめます。やはり有名メーカーのスポーツスケートをお勧めします。

メーカー製品は今回、価格的にはあまり差はありませんでしたが、実際に履いてみた実感としてはローラーブレードとフィラに軍配が上がりました

その中でも、初心者の子ども用となると、サイズ調整機能のすばらしさブレーキの脱着の便利さなどの長所と、目立った欠点のなさで、

フィラのX-ONEを一押しとします!

※追記 2018/4/8

フィラスケートのX-ONEは2018年になってデザインが新しいバージョンになっているようですね。
機能は変わらないようですが、最大サイズが26.5cmまで使えるようになってます!

2 件のコメント

  • 大変参考になりました。
    娘用にトイスケートを買ってしまっていました。
    楽天で5千円のABEC7のモデル。
    サイズは17.0-18.5と約1.5cmの範囲で成長に合わせてサイズ変更可能。。。
    しかしローラーブレードやFILAの同サイズをチェックしてみると17.5-20.5と3cmの範囲でサイズを変更可能。
    こちらにしておけば良かった。。。

    • ありがとうございます。
      苦労して記事を書いた甲斐があります。^^;
      実際に履いて滑ってみた感想としては、表記上の《ABEC7》などのスペックはやはりあてにならないということでした。
      『通気性抜群!』『クッションが心地よい!』など最近のトイスケートは凄いなーと感心しますが、履いてみた結果は、書いた人は履いたことないんじゃないかな?という感想でした。
      価格は安い方がいいのですが確かな違いもありますので、これからも皆さんに本当の情報発信できたらなと思っています。

      ちなみにですが、できればFILA X-ONEに買い替えることをお勧めします。
      これでも入門用のモデルですが、違いはたくさんの子供達で見てきていますので自信を持ってお勧めできます。

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    ABOUTこの記事をかいた人

    ヒデ爺

    インラインスケート講師

    日本ローラースポーツ連盟の公認指導者であり、日本インラインスラローム協会監事。
    1998年に友人に誘われたのをきっかけにインラインスケートを始め、2003年には当時最有力インラインスケートブランドであるSALOMONの契約スケーターとなる。
    現在は北は北海道、南は沖縄、と日本全国で子どもたちを主な対象としてインラインスケートの講習会を開催し、これまでに数万人にインラインスケートの素晴らしさを伝える活動をしている。
    競技者としても優勝経験多数、現在は大会のデモンストレーションや審査員を務めている。

    著書:完全監修本『インラインスケート基礎テクニック&トリックスラローム完全マスターBOOK』