インラインスケートを選ぶ際にチェックすべき7つのポイント

7つのポイント

こんにちは、日本ローラースポーツ連盟公認指導者の“ひで爺”こと大原秀明です。
私は、北は北海道、南は沖縄まで、いろいろな場所で講習会やデモンストレーションなどを行い、インラインスケートの楽しさをお伝えしています。

講習会などにはトイスケートを購入して参加されるお子様がいらっしゃいます。
他のスポーツ用インラインスケートと違い、トイスケート上達の差はあきらかで基本的な動作すら難しい場合もあります。

トイスケートで参加されてうまく滑れない場合に、「他の子のように滑れないのはお子さんのせいではなく、インラインスケートブーツがオモチャだからです。」と説明しています。
違いを目の当たりにしている親御さんは「何が違うのか?」「どう見分ければよいのか?」と聞いてきます。

そこで、スケートの購入する際に失敗をしないために、スケートブーツのどういうポイントを見ていけばよいのかをまとめていきたいと思います。

数多くのインラインスケートブーツを履き、研究し、講師として子どもたちが履いているのを見てきた経験から、チェックすべき7つのポイントを詳しく解説します。

すべての製品が合格点なら、このような記事は必要ないのですが、残念ながらそんなことはありません。良い製品と悪い製品では本当に雲泥の差があります。
この記事をお読みいただいて、失敗のないスケート選びをされることを願っています。

 

良いスケートに当たれば本当に楽しいですから!!

スケートブーツを判断する3つの視点

ジュニア用も大人用もインラインスケートブーツの良しあしを判断するには、以下の3つの視点が重要です。

3つの視点
  1. 力が地面にどれだけ伝わるか?
  2. ウィール(タイヤ)がスムーズに回るか?
  3. 快適に履けるか?

なぜなら、インラインスケートは地面の上を滑るアイテムですから、力が逃げてしまうと全然前に進まなかったり、より多くの力が必要になりインラインスケートとしての楽しさは激減します

インラインスケートは滑るのが楽しいスポーツです。
軽く蹴った力がそのまま前進する力へ転換できる機能が優れていないといけません。

そして、力(体重も含みます)は、

足 ⇒ インナー ⇒ シェル ⇒ フレーム ⇒ ベアリング・ウィール

と伝わります。

各部分の説明

全てが良ければ、そのスケートはとても滑りやすく、インラインの楽しさを簡単に、最大限に満喫できるでしょう。

では実際にスケートブーツのどこをどのように見ていけばいいのか?
具体的にチェックしたい7つのポイントをご紹介します。

① インナーとインソール
痛くならない足入れ感とフィット感

インラインスケートの構造は上部のブーツ部分と下部のウィールが装着されているフレーム部分に大きく分けられます。

ブーツ部分の外側の硬く、足を支える部分シェルと呼び、シェルの中に足を柔らかく包むクッション=インナーがあります。
フィット感はブーツの中身であるこのインナーと呼ばれている部分が大きく影響します。

インナーとシェル

厳密には取り外せる部分をインナーと呼びますが、ここではクッション=インナーとしておきます。

インナーは足に直接触れるので、足が痛い、しびれるなどの快適性に関係するだけでなく、しっかりと足を保持して、足の動きをインラインスケートに伝えるという働きがあります。

もし、インナー部分が緩ければ、本人はまっすぐに立っているつもりでも、足とブーツがずれてまっすぐに立てなかったり、足に必要以上の負担がかかります。
ですから、スネから下全体に隙間なくフィットするインナーが理想的です。

ぴったりフィットすれば、足全体をまんべんなくブーツが支えてくれることになるので、長時間履いても痛くなく、立っていても滑っていても楽です。

フィット感を得るために、もう一つ役割を果たしてくれるのがインソール=中敷きです。

スケートは足にかなり力を入れますので、中敷きは重要ですが、普通のスポーツシューズに使われるぐらいのインソールであればよいとも言えます。

ジュニア用は大人用と異なり、サイズ調整機能があるために、靴底が最大2cmも大きくなったり小さくなったりします。

この伸縮に対応しているインソールとそうでないインソールがあり、対応する工夫がなされていることがとても重要です。

② シェル・留め具
足の動きを伝える、支える力

インナーの外側にある硬いシェルは主にプラスチックで形成され、インラインスケートブーツの骨格的な役割を果たします。

インラインスケートは真っすぐ一列になったタイヤで地面に立ちます。
そのため、できるだけ無理なく安定性を保てるように、足首までのシューズではなく、スキーのように足、足首、スネ部分まで包まれるブーツ型になっています。

シェルの役割は、大きく分けて3点です。

  • 足の動きをフレームに伝える
  • 体重を支える
  • 足を守る

そしてインナーは硬いシェルとの間を埋めるクッションの役割があります。

ですから、シェルやフレームの剛性が弱いと、体重を支えられずに、足を倒していないのに足が倒れる(まっすぐ立てない)、などということもあります。

シェルとインナーがしっかり足にフィットしていないと普通に履いて立った時に、ブーツを前から見てみると斜めに傾いてしまうことがあります。

足を真っすぐに支えられていない場合、前に進む力が地面に伝わらず前に進み難くなり滑っているのか歩いているのかわからない、という状況になります。

さらにシェルは足やインラインスケート自体を守る役目も果たします。

転倒時に硬いシェルで守る効果が期待できますが、安いプラスチックはすぐに割れてしまい危険です。
それなりのプラスチック素材では割れる前に曲がる、伸びることで柔軟性まで持つ素材となっております。

 

また、シェルには留め具が付いています。

留め具

留め具は足とインナーをシェルにしっかりと固定する役割があります。

通常はバックル(スネ)、ベルト(足首)、シューレース(足の甲)の3点セットです。

③ フレーム
ウィールを支える

フレーム

せっかくブーツがしっかりしていても、フレームがたわんでしまっては意味がありません。
フレーム部分がたわんでしまうと、まっすぐに立てないだけでなく、ウィールがフレームと接触してしまい、何もしていないのにブレーキをかけている状態になってしまいます。

たわむという欠点はかつてプラスチックフレームをよく使用していたトイスケートにみられました。
なので、当時は「フレームがアルミ製なら大丈夫」と言われていましたが、最近では状況が変わりました。

「安価だが弱いアルミフレーム」が登場したからです。

アルミと一口に言ってもサッシに使われるものから、飛行機の部品になるものまで性質は様々です。
また、同じ性質のアルミであっても、厚さや、形状でまったく強度が変ってきます。

滑走中、フレームにかかる力は思った以上に強く、大丈夫と思っていても実際にはたわんでいるフレームをよく見かけます。
アルミ製だからと言って安心せずに、アルミ材の厚さや立体形状にプレスされているかなどを見極めていく必要があります。

その逆に強化プラスチックでも十分に剛性のあるものも出てきています。
インラインは快適に滑れてなんぼですから、フレーム選びも重要ですね。

④ ウィールとベアリング
力を地面に伝える

ウィールとベアリング

ウィール(インラインスケートのタイヤ)は特殊ウレタンで作られているのが標準で、ウレタンならまずOKです。

ただ、安価なものの中には硬いタイヤ(プラスチック)のものもあります。
ウィールは、地面にインラインスケートの動きを伝える大切な部品であり、硬いタイヤだと横滑りしてしまい(グリップが弱い)、インラインスケートの最大の楽しみである滑走感が無くなります
また、転倒しやすく危ないですね。

また、最近では光るウィールという製品があります。ウィールを回すことで発電して光らせるのですが、これは普通のウィール比べてウィールの回転が重くなりやすくあまりお勧めできません
構造としては昔の自転車用のライトと同じ構造です。

 

ベアリングとは、タイヤの中心に入っている金属ボールが入った部品です。
ベアリングが回転することでタイヤも回転します。

ベアリングの性能はABEC(エイベック)という数値で示されていることが多いです。
ABEC3とかABEC5と数字が高くなるほどと精度が高いという事になります。

しかし、数字の基準がメーカーやモデルによって違うのであまりあてになりませんし、実際にA社のABEC7よりもB社のABEC3の方がよく回るということも多々あります。

子供用インラインスケートの場合、ABEC3以上であれば、あまり気にする必要はありません。

それは、いくら良いベアリングでもフレームやウィール、上部ブーツ本体が悪ければ性能を発揮できないからです。

つまり、最初のインラインスケートのベアリングはABEC3以上であれば他の部分を重視した方が良いのです。

⑤ サイズ調整機能
少しでも長く快適に

ジュニアブーツにだけある機能です。
通常は0.5cm刻みで4-5段階あります。

サイズ調整機能

しかし、この機能があると構造上弱くなるので、ジュニアブーツ以外には特殊な場合を除いてありません。
確かに弱くなるのですが、こども達の体重や力ならば充分という判断と成長に伴うサイズ変更の必要性から付いています。

ジュニアブーツ以外にはついていない為、今まで自分で使ったことはなかったのですが、実際に履いて試したところ、メーカーによってクセがあることに気が付きました。
子どもにとっては意外と重要な機能だと思われますし、また、各メーカーによっても工夫の仕方に差が出るところです。

成長期の子供達の足のサイズは常に変化しています。ジャストサイズを見つけるのは私でも難しいです。
サイズ調整は脱いだ状態だと楽にできるものもありますが、実際には履いてから『きつい』ということが多いです。

ちなみに『ゆるい』と子供達が自分で言うケースは稀です。
緩い場合にはこども以外の人、つまり講師か親御さんが見抜いてあげるしか方法はありません。

そこで、選ぶポイントは微調整が簡単に、できれば履いたままできるというのが一番です。

⑥ ヒールブレーキ

 ヒールブレーキは片足のカカトについています。

ヒールブレーキ

ブレーキを使うときは必ず片方の足しか使わないので、片足にしかありません。
スポーツメーカー製のものには片足にしかついていないのが標準です。

また、子供達はすぐに上達していきます。
上達すると実はヒールブレーキを使わずに止まることを覚えます。

実際にその方がよく止まります。
そうなると、ヒールブレーキはますます不必要になります。

ジュニア用でも上位モデルにはヒールブレーキが最初から付属していないものもあります。

⑦ 価格
安い物には理由がある

誰も当然安い方が良いでしょう。
ですが、安いにはワケがあり、そのワケを知ることが大事です。

メーカーや販売者は『安ければ売れる』『アルミフレームであればちょっと高くても売れる』『ベアリングがABEC7なら売れる』などと思っている気がします。

そして事実を知らない人はそういうインラインスケートを買い、講習会や公園などで本格的なスケートを知り、その違いに愕然とします。

子どもの初心者講習会でご父兄に「何であんなの売っているのでしょう?」と何回も言われたことがあります。
売っていなければ買うこともなく、後悔しないで済んだというのです。

私は『安いにはワケがあり、そのワケを知ることが大事です。』と言います。

実際に沢山のトイスケートを履いた子供達を見ています。
そこで違いを見抜こうと思うのですが、最近は実に巧妙で、しかも場合によっては安くない場合さえあります。

価格は大事ですが、そのワケをしっかりと理解したうえで判断してください。

まとめ

ベアリングのABECの数値やフレームの材質、バックルのロック機能などは、インターネットなどで調べればわかると思いますが、それが実際にどうなのか?

そのインラインスケートはちゃんと滑れるのか?(滑り易いとかではありません)

実際に履いて、滑ってみないとわからないかもしれません。

もっと言うなら、トイスケートを履いている子供達が専門のスポーツブランドの製品に履き替えた時に、驚くほどよく滑れるようになって初めてわかることかもしれません。

トイスケートもAmazonなどで見ると、高いレビューが入っていたりしますから、いいものと悪いものを履き比べないとわからないのが実際です。

ちゃんとしたインラインスケートブーツに履き替えたほとんどの子供達が、実際に違いを感じ、その滑りを見た親御さんはほぼ皆さん買い替えをされています。

そういう意味では、こういう7つのポイントをご自分で理解されたうえで、プロショップなどで詳しいお店の人に相談されるか、近くに専門店がなければ、世界4大メーカーのローラーブレード、フィラ、K2、パワースライドあたりから選ぶのが間違いないと思います。

専門メーカーはきちんと研究して改良を重ねてきているし、素材もよいので、安心ですね。

実際にトイスケートと専門メーカーの子供用を履いて検証してみたので、7つのポイントを踏まえて読んでみてください。

 

7つのポイント

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ABOUTこの記事をかいた人

ヒデ爺

インラインスケート講師

日本ローラースポーツ連盟の公認指導者であり、日本インラインスラローム協会監事。
1998年に友人に誘われたのをきっかけにインラインスケートを始め、2003年には当時最有力インラインスケートブランドであるSALOMONの契約スケーターとなる。
現在は北は北海道、南は沖縄、と日本全国で子どもたちを主な対象としてインラインスケートの講習会を開催し、これまでに数万人にインラインスケートの素晴らしさを伝える活動をしている。
競技者としても優勝経験多数、現在は大会のデモンストレーションや審査員を務めている。

著書:完全監修本『インラインスケート基礎テクニック&トリックスラローム完全マスターBOOK』