リップスティックとスケボーってどう違う?横乗り系の2輪・3輪・4輪を乗り比べてみた!

こんにちは、“ひで爺”こと大原秀明です。
今回はローラースポーツとして、キックボードインラインスケートとともに外せない、スケートボードなどの横乗り系』の比較をしていきます。

ちなみに、横乗り系というのは基本的に体を進行方向に対して90度曲げて、ギアに乗るスポーツです。
対して進行方向に対して、体を正面に向けてギアに乗るスポーツは『縦乗り系』といいます。
わかりやすいのは、スキーが『縦乗り系』で、スノーボードが『横乗り系』ですね。

実は、スケートボードなどの『横乗り系』にも種類があって、4輪のスケートボード以外にも子供たちがよく乗っている2輪のリップスティックやブレイブボードもあれば、2輪でも4輪でもない、3輪の商品もあります。
子供たちに2輪のリップスティック等が大人気ですが、親子で楽しむには3輪や4輪のスケボーもいいのではないかと思い検証をしてみたくなりました。

そこで、横乗り系のウィール(車輪)の数によって

  • どんな造りになってるのか?
  • どんな特徴があるのか?
  • それぞれ年齢は何歳位がオススメなのか?

ということを実際に乗ってみて検証してみたいと思います。

私はンラインスケートは得意ですが、横乗り系は得意ではないので、知り合いの子供の小学生たちにも3種類を試してもらって意見を聞きました!
リップスティックが得意な小学3年生A君とB君。
さらに公園で出会ったリップスティック乗れなくって練習していたC君です。
もちろん、私も横乗り系が上手な知人にサポートしてもらい、一緒に練習しましたよ!

1.比較する横乗り系3選

選んだのは、以下の3商品です。

左:リップスティック 中央:スイングボード 右:スケートボード

  • 2輪
    リップスティックの最上位機種のデラックス
  • 3輪
    スイングボード36インチ
    3輪のスケボーのようなもの。
  • 4輪
    Enuff(イナフ) スケートボード 32インチ
    よく見かけるオーソドックスなもの。

※価格差も少ないように選択してあります。

見た目の特徴

まず、見ただけでわかる構造的な特徴としては、

・2輪のリップスティック

そのまま乗っても立っていられないので、走っていないと倒れます。
小学生たちをみていると地面を蹴って進むのではなく、最初は細かく後ろ足をこぐことで進んでいるようですね。慣れてくると、腰のツイストを使って進み、スピードアップが出来るようです。
また、そのまま曲がれますが、あまりスピードは出ません。

・3輪のスイングボード

前に1輪、後ろに2輪のスケートボードだと思ってください。
こちらは3輪なので、安定しているため停止したまま乗れます。
そして、サーフィンのように前足を左右に体重移動させることで進みます。
こちらも乗ったまま前進出来て、曲がれます。
動きは動画のような感じで、2輪のリップスティックよりも、スピードが出ていますね。

・4輪のスケートボード

最も安定しているので、停止したまま乗れます。
でも、通常のスケートボードは地面を蹴って進むので、ここが大きく2輪や3輪と異なります。
そして、本気でやるとオリンピック競技になっているくらいですから、宙返りとかかなりのことができそうですね。
海外の動画ですが、子供もカッコよく滑っていますね。

次に、実際に購入した商品の詳細を簡単にチェックしてみます。

ラングスジャパン(RANGS) リップスティックデラックス ブラック

商品詳細

実売:11,000円(税込)
タイヤ:ウレタン76mm幅24.5mm
ベアリング:ABEC7
耐過重:100kg
重量:3.1kg
全長:85cm
付属品:日本語説明書

しっかしとした箱に入っていて良い感じです。
ラッピングすればプレゼントにも最適な感じ。

日本語説明書がついてます。

・タイヤ:2輪

デッキ(足を乗せる板)が2分割されていて、前のデッキ後のデッキを繋いでいるバーを中心にデッキがそれぞれ傾き本体がねじれるような構造となっています。

2輪なので自立して置いておくことはできませんが、すぐに倒れてしまうので、そのままボードだけで走って行ってしまうこともありません。

前のデッキと後のデッキがねじれ、それぞれのキャスター(自在車輪)が斜めに付いていることにより前に進む力が生まれます。
このキャスターは回転するのですが、ウィールが回転軸の真ん中ではなく、少し後側にずれていることでキャスター自体に方向が生まれます。

[ストリートサーフィン] スイングボード 36インチ

商品詳細

実売:11,000円(税込)
タイヤ:前輪ウレタン80mm幅24mm、後輪ウレタン65mm幅47mm
ベアリング:ABEC9
耐過重:100kg
重量:3kg
全長:92cm
付属品:カタログ

カタログが付属していました。
説明書などはありません。

・タイヤ:3輪

前輪はキャスター、後輪はスケートボードというハイブリッド的な作りです。

スケートボード用のウィールは持っていないので交換可能かどうかの検証はできないが、構造的にできないはずはないはず。
前輪のキャスターはかなり自由に軽い力で回転します。
動きがリップスティックよりかなりスムーズです。

・デッキ

メープル製ウッドデッキ

Enuff スケートボード 32インチ

商品詳細

実売:12,300円(税込み)
タイヤ: 53mm
ベアリング:ABEC7
耐過重:100kg
重量:2.3kg
全長:80.5cm
付属品:説明書(日本語無し)、ステッカー

・タイヤ:4輪

オーソドックスなスケートボードという感じ。
前後に違いはないようです。

・デッキ

デッキは前後が反っていて、ここが反っている事で、オーリー(ジャンプ)等のトリック(技)が出来るような構造になっています。

さて、実際に子供たちと一緒に乗ってみて、わかったことをまとめていきましょう!!

2.項目別評価

選んだ3種類をそれぞれ30分位、子供たちと練習してみて、

  1. 乗れるようになるまでの時間
  2. 安全性
  3. 遊べる場所の多さ
  4. 極めた時の楽しさ

を星5段階で評価してみました。
※実際に個人が練習してみての主観的な評価となります。

①乗れるようになるまでの時間

★★★☆☆ 2輪リップスティック
★★★★ 3輪スイングボード
☆☆☆☆ 4輪スケボー

※乗れるまでの時間が短い方が★マークが多い

2輪のリップスティックは、そのまま立っていられないので、前進しないと倒れてします。
初めて横乗り系をする場合は乗り始めに関しては一番難しかったですね。
ただ、デッキに乗る練習をした後に、慣れてきたら、スイスイと前に進む事は出来ました。

横乗り初心者の私でも一番簡単に前に進む事が出来たのが、3輪のスイングボードでした。
スイングボードは止まっている状態でも乗ることができるので落ちついてチャレンジできました。
バランス取れない状態で勢いをつけて前に進むのは結構怖いですし、前に進んだ状態でも安定感あるのでとても乗りやすいです。

4輪のスケボーはデッキに乗る事は簡単で、もちろん足で蹴れば進みますが、動いた後にさらに蹴るのが最初は怖く、軽くしか動かせませんでした。
また、前側を少し上げて、左右に動かして進む事が出来る『チックタック』という動きがあるのですが、こちらも練習しましたが、なかなか練習30分位ではうまくできませんでした。

②安全性

★★★★ 2輪リップスティック
★★★☆☆ 3輪スイングボード
☆☆☆☆ 4輪スケボー

4輪のスケボーはバランスを崩して転倒した際に、デッキが遠くに飛んで行ってしまったり、そもそも、最終的にはジャンプなどをして楽しむので、上達しようと思った時にはケガはつきものかと思います。
リップスティックは、スピードが限られているのと、止まった時に、デッキが遠くに転がっていかないので、一番安全ですね!
ただ、どこでも遊べるので、どこでも乗ってしまうという危険もあります。

3輪のスイングボードは楽しみ方としては、サーフィンのようにカッコよく進む事なので、ジャンプとかはしない分、スケボーよりは安全です。
ただ、3輪なので、リップスティックよりは転倒した際には少し転がっていったりするかもしれません。

③遊べる場所の多さ

★★★★★ 2輪リップスティック
★★★★ 3輪スイングボード
★★☆☆☆
4輪スケボー

リップスティックは、小回りも利き、スピードも限られているので周りの安全さえ確保できれば、近所でもできます。
スイングボードも同じように小回りが効くので、ある程度のスペースがあれば遊べます。
両者とも、乗ったまま旋回もできますし、小回りが利くので、比較的狭い場所でも遊べますね。
ただ、スイングボードはリップスティックよりもスピードを出すとさらに楽しいので、河川敷等、直線のスペースなどがあるところだと、より楽しく遊べます。

スケボーに関しては、ただ滑るだけなら、直線のスペースがあればいいのですが、それだけだとつまらないです。
簡単な練習なら比較的どこでもできてしまいますが、音が大きいので注意は必要ですね。
狭い場所ではボードをバタンバタン叩きつけることになり、その大きな音はよく問題になります。
そういう意味でも専用パークにいかないと思いっきり楽しめないと思うので、遊べる場所としては他の2つに比べると少ないかもしれません。

④極めた時の楽しさ

☆☆☆☆ 2輪リップスティック
★★★☆☆ 3輪スイングボード
★★★★★ 4輪スケボー

リップスティックは子供たちは飽きずにやっていますが、乗れてしまえば、なかなか他の楽しみは見つけにくいですね。
リップスティックがここまで子供に流行っているのに、大人でやっている人を見かけないのは、大人がやるには魅力を感じない(楽しさが少ない?やりがいがない?)からだと思いました。

スイングボードはただ乗って進むだけでなく、スピードを出したり、しゃがんでカッコよく旋回したりと、リップスティックよりも極める幅は広いと思います。
また、サーフィンやスノーボードの要素もあるので、そっちを新たにチャレンジする際にも良いですし、逆にサーファーやスノーボーダーはオフトレーニングにもなるようです。

スケボーはなんといってもオリンピックの競技にも選ばれたくらいですから、3つのなかでは断トツに極めたら楽しいと思います!
オーリー等のトリックが出来るようになるまでに、諦めてしまう人も多いみたいですが、そこさえクリア出来れば、思いっきり楽しめて、うまく出来たらカッコいいですし、楽しいでしょうね!

3.子供たちの感想

2輪のリップスティック

A君・B君ともに、リップスティックはもともと乗っていたので、自在に操っていました。

A君は歴1年・B君は歴半年で自分のリップスティックでスイスイと気軽に遊んでいました!
ただ、自由に乗れるようになるには練習が必要だったそうです。

C君はリップスティックを乗れるよう練習する為に公園に来ていて、乗ることすらなかなか出来ず、転倒して意気消沈していました。
(ここで声をかけてスイングボードを貸してあげたのが出会いです)

3輪のスイングボード

A君・B君共にリップスティックに慣れているせいで、後ろ足で体重移動をしようとして最初はうまく動かず、あまり楽しそうではありませんでした。
しかく、コツを教えるとスグにある程度乗りこなし進めるようになりました。

30分程度、練習したらカッコいいターンが出来るくらいに上達しました。

C君はリップスティックに乗ることが出来ませんでしたが、スイングボードにはすぐに乗ることができました。
後輪が2輪あることで乗り物自体が自立しその上に乗るのは怖くないのですね。

4輪のスケートボード

スケートボードですが、「これ、進まないし曲がらない」と、同じく30分ほど頑張ってもらいましたが、楽しさは伝わらなかったです。
前に進むのに地面を蹴るのが一番良い方法なのですが、それがつまらない、、、というのが最大の問題のようでした。

チックタックも練習してもらいましたが、やはり習得には一番時間が掛かるので、楽しくなるにもそれなりに時間が必要なようです。

4.検証結果

実際に、3つの横乗り系を乗り比べてみましたが、初心者の私が子供たちと一緒に検証してみて、それぞれのおすすめの人は以下の感じです。

2輪 リップスティック
家の周りで手軽にできて、疾走感はないけれど安全に遊べるので、小学校低学年くらいの子供にはぴったり!
乗れるようになるだけでも結構難しいが、乗れてしまえば、それだけである程度楽しい。ただ、小学校高学年くらいからは少し物足りないかもしれない。

今回は大人の私が試すので『デラックス』というモデルを選びました。

ただ、小学生低学年には大きくて重いらしく、選ぶのであれば、リップスティックデラックスミニがおすすめです。

 

3輪 スイングボード
3つの中で一番簡単に乗ることが出来たので、リップスティックが出来なかった子でもトライしてみてもいいかも。
スピード感も格好良さもあり、乗っているだけで十分に楽しいので、小学校中学年くらいから大人まで親子でも一緒に楽しめる。
サーフィンやスノーボードのオフトレーニングにも使われているので、3輪を乗りこなせれば、他のスポーツも上達するかもしれませんね。

スイングボードもサイズが30インチと36インチの2種類があります。
大人が楽しむ分には36インチでもいいですが、親子で楽しむのであれば、30インチの小さい方が子供達も楽しみやすいと思います。

 

4輪 スケートボード
やはり乗るだけでは面白くなく、初心者の内は乗りこなすまで練習し続ける事が必要ですね。
オーリー等のトリックができて初めて楽しめて、本気で取り組んで上達した時の楽しさは一番ですね!
ただ、そのためには専用パークにもいきたいから、やはり中学生以上向け。

種類も多く、カスタマイズも多様に出来るため、選んでいたらキリがありませんが、まずは一般的に売っている物を選んで練習あるのみです。

実際に、同じ横乗り系でも、難易度や安全性・楽しみ方等は多様でしたね。
私自身は、初めてでも一番簡単に乗れたので、まずはスイングボードを乗りこなせるように練習していきたいと思います!

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ABOUTこの記事をかいた人

インラインスケート講師

日本ローラースポーツ連盟の公認指導者であり、日本インラインスラローム協会監事。
1998年に友人に誘われたのをきっかけにインラインスケートを始め、2003年には当時最有力インラインスケートブランドであるSALOMONの契約スケーターとなる。
現在は北は北海道、南は沖縄、と日本全国で子どもたちを主な対象としてインラインスケートの講習会を開催し、これまでに数万人にインラインスケートの素晴らしさを伝える活動をしている。
競技者としても優勝経験多数、現在は大会のデモンストレーションや審査員を務めている。

著書:完全監修本『インラインスケート基礎テクニック&トリックスラローム完全マスターBOOK』