こんにちは、日本ローラースポーツ連盟公認指導者の“ひで爺”こと大原秀明です。
お手軽な移動手段として30種類以上のキックボードを乗り比べてきたキックボードマニアでもあります。
今まで、キックボードの目的として、『移動手段』に注目し、通勤などにおすすめの製品を紹介してきました。
でも、キックボードにはもう一つ大きな役割があります。
それは『遊び』です。
今回は『遊ぶためのキックボード』をご紹介します。
その名は「フリースタイルキックボード」。
「フリースタイルキックボード」とは商品名ではなく、キックボードの1ジャンルの呼び名です。
日本ではまだまだ知名度はありませんが、世界的にはStunt Scooter(スタントスクーター)という呼び名で知られており、特に欧米では大変人気のあるウィール系スポーツで、そのプロや専門店まであります。
動画はプロの技ですが、欧米では若者や子供が、動画のように丈夫さに特化した特殊なキックボードで、スケートボードのようにジャンプしたり、ウィリーしたり、中には宙返りを決めたりして、専用パークや街の公園でそれぞれ、技を楽しんでいるようですね。
そもそも私がフリースタイルキックボードを初めて見たのは、何年も前のことなのですが、インラインスケートのスクールをスケートパークでやってる時にキックボードで飛んでいるお子さんを見たんです。
そのお子さんが乗っていたものこそ、フリースタイルキックボードだったのです。
セクションに入って遊んでいて、フリースタイルキックボードって凄いな!と思ったのを覚えています。
それでは、フリースタイルキックボードについてご紹介していきます。
フリースタイルキックボードと普通のキックボードの違い
①折りたたみ機能の有無
フリースタイルキックボードはデッキ(足を乗せる所)とハンドルをつなぐ部分が固定されています。
写真を見ての通り、通常のスクーターは折りたたむことが前提なのですが、フリースタイルキックボードは溶接され、固定されているので折りたためません。
折りたたみ機能がないとどうなるのか?
- 荒い路面を走行すると折りたたみ機能の部分を中心に振動が発生し、ガタツキ音が鳴るが、溶接されているので走行は比較的静か。
- ガタツキがないので力がダイレクトに伝わり、楽に前に進める。
- 操作性が高まり、さまざまなトリック(技)がしやすくなる。
②ハンドルの違い
ハンドルが折りたためない、幅が広い、高さ調整ができない。
簡単に言うとフリースタイルキックボードはハンドル部分もすべて固定されています。
なので、調整などは一切できません。
通常のキックボードはハンドルグリップを外して、すぐ下にある黒いホルダーにとどめて置けます。
写真のJDRazor MS-105Rの高さは63cm~87cmまで調整可能です。
幅は33.5cmです。
フリースタイルキックボードはハンドルグリップは外せませんし、高さ調整機能もありません。
ハンドルから縦のポールまでワンピースでできていて、とてもしっかりと作られています。
この高さ調整やハンドル取り外し部分はやはり、ガタツキが発生し易く、そのため力が逃げやすい部分です。
手元にある標準的なスクーターを測ってみると、ハンドル幅はかなり広くて47.5cmです。
高さもある程度低く、81cmで固定されています。
幅が広いので操作しやすく力も入れやすくなってます。
高さについてはこれぐらいがちょうどよく、身長があってもトリック時にしゃがんだりする為、大人でもこの高さが最適解ということなのでしょう。
重心位置が高いとそれだけバランスもとり難くなります。
実際に乗ってみてちょっとしたトリックに挑戦してみたら、なるほど!と思いました。
ハンドル固定だとどうなのか?
- 折りたためないので、やはりコンパクトにならない
- 高さ調整できないので、自分の好みの高さにできない
- ガタツキがないので力を伝えやすい
- ハンドル幅も広いので操作性に優れている
- 部品が少ないので壊れる要素も少ない
③優れたウィール(タイヤ)
すべてではありませんが、例えば写真のタイヤは、なんとアルミコアを使っています!
通常のキックボードだとプラスチック製のコアです。アルミコアウィールは高価ですが、それだけに速くて良いですよ!
小さなタイヤでも最大限のスピードが出せるように工夫が施されていますね。
フリースタイルキックボードの特徴
複雑な機能というのは、便利である一方、力が逃げる原因になります。
それらを全て無くしたフリースタイルキックボードは、基本的に滑走性能が底上げされ、操作性も高いのです。
そのため、ジャンプやウイリー、キックボードで出来ることが増えています。
そして、シンプルで壊れにくいうえ、もともと飛んだり跳ねたりするのを前提としているので、通常のキックボードよりかなり頑丈に作られています。
これらがフリースタイルキックボードの特徴です。
最大のデメリットである折りたたみ機能ですが、マンションなどの場合、折りたたまずに玄関前のスペースに置いておくことも多いですよね。
また、折りたたんでいると組み立てるのが面倒とも言えます。
どんなことができるの?基本の技って?
フリースタイルキックボードならどんなことが出来るの?という答えは、最初にも貼り付けたこちらの動画が一番わかりやすいと思います。
基本的なことで言えばジャンプから、難しいことでいえば宙返りなどがありますね。
キックボードに乗る時は必ずヘルメット、プロテクターなどの安全防具を装着しておこなってください。
①ジャンプ
公園でも楽しめるトリック(技のことです)で言えばまずはジャンプです。
ジャンプ台などを使わずに自分の力でジャンプします。
基本的にはフリースタイルキックボード以外でもできなくはないですが、普通のキックボードは説明書などの注意書きでも禁止されています。
ジャンプの衝撃というのはなかなか大きなものですのでキックボード本体が壊れることもあり、怪我の元にもなりますのでオススメできません。
フリースタイルキックボードならばもちろん大丈夫!
フリースタイルキックボードの上でしゃがんでからキックボードごとジャンプします。
最初は様子見で軽くジャンプしましょう。
水平にフリースタイルキックボードが飛ぶようであれば、低くてもOK!
そこから少しずつ高く飛べるようにしましょう。
慣れてきたら路面のヒビなどを目印にそのヒビを飛ぶ、などを繰り返していくのも楽しいものです。
②一輪走行(前後)
ウィリーなどの一輪走行にもチャレンジしてみましょう。
ジャンプと同じく、最初は軽くやってみることから。
その後、少しずつ距離を増やすのが良いです。
まずは後輪1輪のウィリー。
ウィリーはハンドルを手前側に引き寄せるようにすると前輪が浮きやすく、次のステップにも進みやすいです。
前輪でもやってみましょう。
前輪の時はハンドルを押し出すような感じです。
③バニーホップ
ジャンプ、一輪走行(前と後ろ)がある程度できたらミックスします。
ジャンプした瞬間にハンドルを引き前輪を上げる、すぐにハンドルを前に押し、後輪を上げる。
これをしっかりとできるようになると、バニーホップというより高いジャンプができるようになってきます。
バニーホップでジャンプが高くなるぐらいになってきたら、ジャンプ中にデッキを一回転してみたり、さらに色々なことが出来るようになりますので、まずは①~③までチャレンジしてみると楽しいです。
出来そうに無いこともステップをしっかり踏むことでいろんなことができるようになってきますので、ぜひぜひオススメです。
どこで出来る?遊べるスケートパーク
やる以上は動画で出てきた豪快な技もやりたいという人もおられるでしょう。
公園で出来ないような大技やグラインドトリック(デッキの本体で縁石や手すりに乗って滑るトリック)は専用パークでしか出来ません。
もしも、公園などで手すりや縁石などを傷付けた場合、器物破損などで訴えられることもあります。
では、フリースタイルキックボードができる、そんな専用パークは日本にも存在するのでしょうか?
調べてみました。
フリースタイルキックボード専用のパークは見つかりませんでしたが、スケートパークでならできるはずです。
インラインスケートやスケートボードは専用パークがありますのでそちらで調べて見ました。
ホームページに記載がある
以下の3つのスケートパークはホームページの利用種目の中に「キックボード」としっかり書いてあったり、中にはキックボードを貸し出してくれるところもありました。
兵庫県三木市にあるように無料パークもあるので嬉しいですね。
※2020年6月調査時
ホームページに記載がない
たとえば、以下の2か所のホームページには「スケートボードやインラインスケート等」としか書いてなかったのですが、実際に事務所に聞いてみたら「大丈夫ですよ」と言われたスケートパークもありました。
※2020年6月調査時
そもそもフリースタイルキックボードを知らない事務所の方もおられたので、「まだ知られていないから、対象になってないだけ」のような気がしました。
今後、もし、フリースタイルキックボード人口が増えていけば、できるところも増えていく感じがしましたね。
お近くのスケートパークでも、「スケートボードとインライン」とだけ書かれていても、直接尋ねてみたら「OK」となるところもありそうな気がします。
いずれにしても、利用するのにあらかじめ登録が必要だったりしますので、利用前に直接確認するようにしましょう。
まとめ
子供達が日頃遊ぶような用途の場合、フリースタイルキックボードは移動手段としても使える上に、公園などで遊ぶ楽しさが増しますので、選択の余地は充分あります。
折りたたみ機能が不要であれば、フリースタイルキックボードは普段乗りでも優秀ですね。
実際のフリースタイルキックボードも購入レビューしてみたので、合わせてチェックしてみてください!
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