Oxelo(オクセロ)のキックボードTown9を徹底レビュー!

こんにちは、日本ローラースポーツ連盟公認指導者の“ひで爺”こと大原秀明です。
20種類以上のキックボードを乗り比べてランキング記事を作成したところ、こんな声をいただきました。

「ぜひ、大人用キックボートとして評判のOxelo(オクセロ)を試してほしい!」

私も実は気になっていた製品でしたので、思い切って購入してみました。高かったけれど(^^;)

試してみる以上は…ということで選んだのは、オクセロの中でも最上位機種『Town 9 EF 16』

装備もフルスペックで充実しているので、キックボードの大本命かと思いましたが、結果はというと・・・。

基本性能やオリジナルの機能はいいものの、実際に使用するうえでいろいろとアラのある製品でした。
早速、詳しくレビューしていきます。

Oxelo(オクセロ)Town 9 EF 16

1.滑走性能 ★★
2.乗り心地 
3.安全装備 
4.持ち運び ☆☆☆
5.デザイン ★★

評価方法
評価は★5段階評価として5項目を評価します。
各項目の詳しい解説は10台以上乗り比べて分かった! キックボード選びで大切な5つのポイントを参照
商品詳細
Oxelo(オクセロ) Town 9 EF 16
定価:19,900円(実売19,900円)
ホイール:200mm
ベアリング:ABEC7
重量:6.4kg
全長:89cm
耐過重:100kg
ハンドルグリップ:ゴム製
ハンドル高さ:88~102cm
ハンドル幅:41cm
デッキ広さ:15cm×38cm
デッキ高さ:7.5~8cm
装備:ハンドリアブレーキ、フットブレーキ、ストラップ、ベル、フロントサスペンション
付属品:説明書、六角レンチ

※箱裏面に機能説明があります。

  1. 1秒で折り畳み可能
  2. トローリーモード(けん引モード)
  3. ハンドルブレーキレバー
  4. 鍵取り付け可能
  5. フロントサスペンション
  6. スタンドモード
  7. 反射ステッカー

1.滑走性能 

ウィールサイズ200mm
これだけ大きなウィールなので滑走性能も高い
折りたたみキックボードの中では最大級のサイズのウィールなので少々の段差も怖くない。

また、フロントサスペンションは段差の乗り越えにも威力を発揮するようだ。
ウィール自体は硬めなので乗り心地は多少犠牲になっているがスピードは速い。
前輪コア部分にはクリアプラスチックカバーが付いている。

後輪も200mm。

ベアリングはABEC7

2.乗り心地 

・快適性

200mmのビッグウィールから来る快適性は健在。ウィールも太めなので安定性能が少し高い。
ただし、ウィール自体は硬めなのでスピードは有利だが少々のデコボコ道でも音はうるさめ

よくあるレンガ調の道ではプラススチックっぽい音が不快だった。

パーツ点数が多いからか色々な音がするように感じた。
特に前輪のクリアプラスチックカバーが音の発生個所な気がするが、他にも本体からの音も大きいので本体の空洞に音が反響しているのかも知れない。
綺麗な路面なら良いが少しでも粗い路面だと騒々しい。回りの人が振り向くのが少し恥ずかしく感じた。

・ハンドル

グリップ材質はゴム製で輪切りのような形状は手にくる振動を軽減してくれるこれは技あり!

ハンドル幅は、41cmでちょっと狭い。

ハンドル高さは、88~102cmの無段階

無段階は上げ下げも早く好きな高さにできるので良い機能。
しかし、保持力が弱いようでハンドルに体重をかけるとハンドルが下がってしまう。
ハンドルレバーはきつく止まっているので仕様なのかも知れないが便利そうなのに残念。

高さ調整部分にはメモリ付き。

数字1につき4cmでした。インチでもないしセンチでもないです。フィートも違うし。何のメモリなのか謎です。

一番下まで下げても1メモリまで下がらない。メモリはもしかして飾り?

・全長

89cm。全長は長ければ長いほど安定感が出るがこれぐらいの長さが持ち運びや収納を考えると良い。

・デッキ広さ

幅:15cm
デッキ部分がクッション性のあるラバー製。乗り心地も良く、グリップ性能も申し分ない。上級グレード感がとても良い。

長さ:38cm
足を置ける面積がとても広くて良い。

・デッキ高さ

前方8cm 後方7.5cm
低いと擦るし高いとつかれる。これぐらいがちょうど良い。

・フロントサスペンション

振動軽減効果はあまり感じられないが、段差を越える時には効果があるようだ。フレンジーのFR205HBよりも硬い印象。

・スタンドモード

スタンドは無いがスタンドモードがある。しかし、実際には機能しなかった。
写真は手で支えているが手を離すとハンドルが重力に負けて折りたたまれてしまう。

さらに地面に設置する部分は傷だらけになってしまう。
白い綺麗な機体なだけに凄い残念。普通にスタンド付けて欲しい。

ここに鍵をかけることで折り畳み状態から滑走状態に変形できなくなります。
箱の絵だと南京錠ですが他の鍵でも良いはず。
その鍵を動かせない構造物などに止めるのが良いみたい。

3.安全装備 

・ハンドリアブレーキ

非常によく効きます。しかもリアブレーキなので使い勝手も良い。

・フットブレーキ

他のキックボードはウィールサイズが大きくなるほどブレーキ性能が上がったが、なぜだかフットブレーキの効きは200mmにしては弱め。

・ベル

標準でベル付き。ちょっと目立たない感じでこだわりも感じる。

反射ステッカーが各所にあります。デザイン的にも良いですし、安全考慮としても凄く良い。
しかし、剥がれやすいのか、端っこの方がペラペラと剥がれてきてました。

下の写真も同じく端っこが剥がれてます。粘着力も無くなっているので、ピラピラは止まりません。これはもったいない。

実は他にも前輪装着部分にグリス(ジェル状の油)がべたべたについていたので、それの影響もあるのかも知れません。
もちろんすぐに拭き取りましたが、他のキックスクーターでは見たこともなかったのでビックリしました。

4. 持ち運び・収納 

・折りたたみ機能

オクセロタウン9最高の見せ場!1秒で折り畳み可能!
キックスクーターの前に回った状態でスイッチを蹴るとパターンって感じに折りたためます。

ここを蹴ると、

ロックが外れ折りたためます。

一人で撮影しているので写真で説明するのは難しいので箱に書いてある画で説明。

慣れればこんな感じにできるらしいです。
結構練習しましたがまだ納得できるほど上手くなってません。

けっこう残念な傷。
個体差かも知れないけどロックがなかなか外れないので少し強めにキックすると地面に当たって先端にキズがつきます。

ロックを外した時にすぐに持ち上げるなどすれば良いのかも知れませんが、6.4kgはキックボードの中でも結構重いです。

他の折り畳みキックボードと同じくハンドルも折りたためます。

ただし、ボタンが他のキックボードと違います。
通常は金属のポッチだけですが、タウン9は大きな押しボタンになっています。これは技あり。

しかし、残念ポイントはゴム紐にありました。
写真のようにゴム紐を挟んでしまうことがありました。

原因はこれ。


ハンドル折り畳み固定部分が離れた場所にあるのでゴム紐が伸びてしまい、ハンドルを組み立てるとゴム紐が余ってしまいます。
他のキックボード同様に固定部分をもっとハンドルに近づけて欲しかった。

・収納状態

一見かっこいいですが、本体サイズの割に大きいです。
原因は、折り畳み機構用のキックスイッチが出っ張っていることと、ハンドルが下がりきらないこと。
キックスイッチは仕方ないですが、ハンドルはどうにかなったのでは?と1メモリまで下がらないハンドルを見てしまうと思いますね。

・ショルダーストラップ

標準でストラップを装着。ちゃんと長さ調整も可能です。

出かけた時に撮ってもらったショルダー状態。

とにかく本体が大きい。そして6.4kgは重い。

さらに下記写真で指差した部分が肩の後ろにささって痛い・・・。

基本的に肩に掛けて横持ちをする為のストラップのようです。

1枚前の写真の縦持ちと比べると面積を取るので邪魔になりやすい上に収納状態でもこれだけ全長が長いと取り回しが大変です。
家、電車、通路、バス、全ての状態で迷惑ですね。やはり縦持ちが便利で実用的です。

ストラップですが後から付けたのではないでしょうか?まだまだ色々と問題あります。
折り畳みモードから滑走モードに変形する際に、邪魔になります。
金具が巻き込まれた状態。

下記はストラップ部分がハンドルロック機能に巻き込まれた状態。

この時点ではまだ滑走してませんが、すでに傷もの。
期待していただけに泣けます・・・。

こんなストラップ外しちゃおうって思ったら

早くも壊れてました。
これ作った人に聞きたい。「ちゃんと使ってみましたか?」

ストラップを伸ばさないとハンドルは伸びません。

他のキックスクーターだとストラップ取り付け部は伸びる部分ではなく、固定している部分が普通です。
もう一度書きます、「これ作った人、ちゃんと使ってみましたか?」

・収納解除方法

折りたたみモードではハンドルがロックされます。逆にこれは良い部分。

ハンドルロックは後述するトローリーモードで必要なのですが、地味に便利な機能です。
持つ時にハンドルが動くと振り回してしまったり、重心が動いてしまったりと、地味ですが、わずらわしいこともあります。

そして、写真のトリガーを引くと簡単に折りたたみが解除されます。
他のキックスクーターでは、折れ曲がる根元にあるのでこっちの方が何倍も楽です。

・トローリーモード

画期的で他の機種には無い機能『トローリーモード
収納状態でスーツケースのように引きずることが出来ます。

重いタウン9だからこそ必要なモードとも言えます。

この機能は収納状態で前輪がロックされているからこそできるモードです。
しかし、確かに肩に背負うよりはマシですが、1輪ですから斜めにすると重さも手にかかり、結構重いです。
あると便利な機能ですが、楽というほど軽くはありませんでした。

専用ケースが別売りですが存在するので同時購入しました。

専用ケースだけにタウン9にぴったり作られています。
ジッパーは両方から開けられるように2個付き。

電車の網棚に載せてみました。2人分以上占有してしまうので、なんか申し訳ない。

電車乗り換えの時に駅構内を勇気を出してトローリーモードで移動してみました。
比較的大きな荷物な上に不思議な物体なので目を引くようです。
この専用ケースの凄いところはケースのまんまトローリーモードに変形できることですね。

この機能が私の購入動機です。
欲しかった機能なのですが、使ってみると思ったほど感動もなくアラが見えます。
1輪なので安定感が無く、斜めになるので重さもあり、ケースと肩紐がピラピラとしていて、電車に乗ったらこんな状態になってしまい、すぐにケースにしまいました。

この出し入れの時間が面倒なので肩に縦掛けで移動ができるケースが欲しいですね。

トローリーモードにするにも、滑走モードにするにも、ある程度広い場所が必要で、その場所を探すのが大変でした。

ケースから出して滑走モードに変形。太陽の元でやってたら汗だくですが、駅内だとそれよりも回りの目の方が気になります・・・。

「何やってんの?こんなところで?」と言わんばかりです。自分でやっていて私もそう思いました。

収納ケースは写真のように本体に引っ掛けられます。さすが専用ケース!
ただし、たたみ方に癖があるので使う人は事前に動画をよーく見て練習した方がいいです。

5.デザイン 

この機種の最大の売りです。大人でも恥ずかしくない高級感のある見た目です。
デザインにこだわりを感じます。ただし、価格は少し高めで19,900円。

総評

良い点
  • 200mmのビッグウィールからくる安定感と走破性能
  • 装備が充実
  • 高級感があるデザイン
悪い点
  • 少しでも粗い路面だと振動音がうるさいので乗っていて恥ずかしい。
  • とにかく大きくて重い
  • ストラップは付属しているが、実質使えない。
  • 滑走モードのスタンドが無いのも綺麗な本体保護の観点からも残念。

これらのことから、本気でユーザーの使い勝手を考えて作っていない気がするのが残念。

装備は多彩でデザインがよく、専用ケースがあったりしてとても良い!と期待していたが、ほぼ全ての個所でアラがあり、「これ以上のキックボードが無い時代」であれば最高だったのかも知れないが今では…。

  • 滑走性能は最低限で持ち運び重視なら、『JD RAZOR MS-205R-B』
  • 静かで快適な乗り心地、滑走路面を選ばない、『Frenzy FR205P』
  • ハンドブレーキ装備で最適なサイズと重量で使い勝手の良い、『Frenzy FR205HB』

に敵わないと私は思いました。

期待が凄く大きかったのに、キックボードの王者にはなれなかった『Oxelo(オクセロ) Town 9』のレビューでした。

2019.1.12
読者さんからもコメント頂いておりましたが、モデルチェンジで新型が販売されております。
今までの物は廃盤のようですので、リンクを新型に変更しておきました。
1,000円程価格が高くなりましたが、カラーリングが変更され、ハンドルの折りたたみがさらにスピーディーになった感じがしますね。

12 件のコメント

  • タウン9 、もっと古い型から乗っています。
    どうやら、私の乗っている型からすると大分改悪されてしまったみたいですね。

    新しいのが出たと聞いて、買い換えようかと思ったのですが、こちらを見て思いとどまりました。
    ありがとうございます。

    さらに新しい型が出たとのこと。
    慎重に吟味したいと思います。

    ちょっと古い型のオクセロタウン9 は、かなり便利でこちらに書かれている難点のほとんどは感じませんが、どんなメーカーにも時々改悪があるもので、おそらくユーザー目線に立たない方が指揮をとったのではないかもしれませんね。

    レビュー、ありがとうございました。

    • コメントありがとうございます!
      そうなのですね、期待とは裏腹が多すぎて非常に残念に思ってました。
      改悪は本当に残念ですよね。
      新型がそうでないことを願います。
      新型はみたところ少し良くなった程度に感じますので次に期待しています。
      情報、応援ありがとうございました!

    • 新型のレビューですね。
      確かに判るようなわからないような。。。
      旧型のストラップはやっぱり挟まってましたね。
      私的には大きさ、重さがネックなのに、そこは変化ないみたいなのでちょっと興味が薄い感じです。
      ただ、旧型よりは新型の方が良さそうなので交換してくれないかなぁ(笑)

  • 新型のV2出ましたけど重さが変わってない・・・
    FrenzyのHBがほしいですけど今あんまり売ってないですねー

    • コメントありがとうございます。
      V2は気になりますが、確かに重さが変わってないですね・・・。
      FrenzyのHBですがDBにモデルチェンジしたってどっかに書いてあった気がします。
      HBはとても良かったので人気で品薄なのでしょうか?オススメなだけに手に入らないのはちょっと残念ですね。

  • 愛用者としては賛同できない部分が多いですが、使い込まないとわからないのでしょうね。トロリーモードは圧倒的に便利ですよ。ストラップが使いづらいのはたぶんその通りなのでしょうが、そもそもトロリーモードが便利なのでストラップの必要性をまったく感じません。

    というのはさておき、さらに改良された新型が出ましたから、チェックされてはどうでしょう。

    • コメントありがとうございます。
      ご愛用者様には申し訳ないのですが、私個人の他機種との比較をまとめてみた内容ですのでご容赦ください。
      FR205HBなどで軽量機種での取り回しの良さと電車移動での利便性を考えるとどうしても収納モードやトローリーモードの大きさや重さがネックに感じました。
      さらにストラップも使えず、せっかくの専用ケースも取り扱いが難しく感じました。
      特に階段が辛かったです。
      モノは使いようといいますので、私の推奨する使い方に合わないという点が大きいのかも知れません。

      さて、新型が出たのですね!
      スタンド装備でハンドル折り畳みの問題点も改善。
      これは気になりますね。

      • お返事ありがとうございます。
        素朴な疑問なのですが、他の機種も電車に持ち込む際はカバーを付けているのですか?
        Town9 の専用カバーはたしかに問題がありそうですが、他の機種ではカバーについて触れていないので、フェアな比較ではないようにも感じました。
        現状、カバー無しでも咎められないことがほとんどなので、私はカバー無しで電車に持ち込んでいます。足でさっと畳んでトロリーモードに移行する動作は慣れるとかなりスムーズで、エスカレーターも使えば負担は本当に少ないですよ。
        トロリーモードが安定しないとか重く感じるとかいうのが不思議なのですが、失礼ながら持ち方を間違えてませんかね?二輪キャスターのスーツケースを引っ張る要領です。
        たしかにもう少し軽ければ最高ですが、トロリーモードに慣れてしまうと、たとえ5kgでも乗り換えなどでずっと抱えて移動するのは煩わしく感じられそうです。
        まあ、理想は高級自転車並の素材を用いて3割ほど軽くなったTown9 ですかね笑
        文句ばかり書きましたが、今後もレビュー記事楽しみにしております。

        • 電車内でのカバー利用はケースバイケースですね。
          付ける時もあれば付けない時もありますし、つけられる機種もあれば付けられないものもあります。

          Town9 の専用カバーは他の機種にはないオプションだったので取り上げました!
          もちろん良ければ大きな加点のつもりでしたが、無いよりは良い止まりでした・・・。

          トローリーモードのエスカレーター利用・・・。最寄駅にエスカレーターがなく・・・。
          やはり折り畳み時の大きさと重さが私にとっては持ち運びのネックでした。
          また、スーツケースのように重心が下に無いので思ったよりも重かったです。
          あくまで、私の個人の感想です。

          本当にもっと軽くなればベストですね!
          今後もより良い製品に出会えるように、メーカーさんに期待しましょう!^^

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    ABOUTこの記事をかいた人

    インラインスケート講師

    日本ローラースポーツ連盟の公認指導者であり、日本インラインスラローム協会監事。
    1998年に友人に誘われたのをきっかけにインラインスケートを始め、2003年には当時最有力インラインスケートブランドであるSALOMONの契約スケーターとなる。
    現在は北は北海道、南は沖縄、と日本全国で子どもたちを主な対象としてインラインスケートの講習会を開催し、これまでに数万人にインラインスケートの素晴らしさを伝える活動をしている。
    競技者としても優勝経験多数、現在は大会のデモンストレーションや審査員を務めている。

    著書:完全監修本『インラインスケート基礎テクニック&トリックスラローム完全マスターBOOK』